#035 伊藤計一「はなは、くれない SAKURA」



伊藤計一写真展

「はなは、くれない SAKURA 」

2015年2月28日(土)- 3月31日(火)


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| 展覧会概要 |


桜ほど多くの物語を生んだ花はないのではないでしょうか?

西行の有名な和歌「願わくば、花の下にて春死なん、その如月の、望月のころ」

そして、近代の文学作品、梶井基次郎の「桜の樹の下には」では桜のあまりの美しさを

その美を信じられない男の禍々しい独白が語られています。

「いったいどんな樹の花でも、いわゆる真っ盛りという状態に達すると、

あたりの空気のなかへ一種神秘な雰囲気を撒き散らすものだ。(中略)

それは人の心を撲たずにはおかない、不思議な、生き生きとした、美しさだ。」

たしかに、桜の季節、見慣れた都会の街並すら桜の花の柔らかなピンクに包まれ、

どこか近寄り難い、夢の世界のようなたたずまいをまといます。

ただ、今回の伊藤の作品には、もっと純粋で、ひたすら真摯な桜の生きる姿そのものが

映し込まれていることを感じます。

宗の詩人、蘇東坡は「柳は緑、花は紅、真面目」と春を詠じました。

ここに描かれたのは「自然の営みにすべてをゆだね、一瞬一瞬をあるがままに生きる」

という限りない生命の継承への讃歌です。

伊藤のSAKURAには永遠の命の息吹を見守る桜守のような慈愛の眼差しを感じます。


太田菜穂子 キュレーター





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|作家とキュレーターによるギャラリー・トーク |


2015年3月10日(火) 15:00-15:30



どなたでもご参加いただけます!お気軽に足をお運びください。




| 作家プロフィール |


伊藤計一 Keiichi ITO

1950年東京生まれ。東京在住。



|Statement|

春になり、桜の便りが届く頃になると、日本中が色めき出すようです。

桜花への開花の喜びと期待によって生じるこの華やかなざわめきには、

私たち日本人の暮らしと深く関わっているように思います。

日本各地には今も、大切に保護されている樹齢千年以上の

「種まき桜」が存在しています。

米を主食とする私たちは稲の種まきのタイミングを桜の開花時期を

基準にしていた事実があります。 

農作業の一年は桜と共にあったと言えるのではないでしょうか?

桜、稲、日本人、私たちは共に生きて来たからこそ、

桜を観ると“同じく命を繋いで来た時間”に想いを馳せるのかもしれません。







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