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ハーストタワー

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先日ニューヨークへ出かけた際に、是非とも見ておきたいと思っていた「ビル」を見てきました。それはエンパイアステートビルでもクライスラービルでもなく、“ハーストタワー”というビル。日本ではあまり聞き慣れないビルかもしれません。ハーストタワーは2006年にイギリス人の建築家・ノーマン・フォスター卿によって設計され、「グリーンビルディング」の1号として建築されました。

皆さんは「グリーンビルディング」とは何かをご存知ですか?
米国グリーンビルディング協議会(USGBC:U.S. Green Building Council)という建設関連の民間企業が組織する団体が、建築物が環境にどの程度配慮されて設計・建築されているかを評価するLEED(Leadership in Energy and Environmental Design)という独自の基準を定め、評価をし、一定基準をクリアした建築に対し認可するのが「グリーンビルディング」です。

LEEDには、

・Sustainable Sites (持続可能な立地設定)
・Water Efficiency  (水源効率)
・Energy & Atmosphere (エネルギーおよび大気)
・Materials & Resources  (資材および資源)
・Indoor Environmental Quality (室内環境)
・Innovation & Design Process (革新技術およびデザイン)

という6つの項目が設けられており、各項にはさらに細目が存在し、一点一点細かいチェックがなされます。
ハーストタワーでは、全体の85%にあたる建築資材がリサイクルであること、鋼材の利用頻度を20%減らしたこと、ガラス壁面による採光を取り入れエネルギー効率を良くしていること、人がいない部屋の電気が自動的にOFFになるシステム、雨水を集めて冷暖房機器などの冷却に使用している、など多くの点が評価されているそうです。

また、グリーンビルディングには環境負荷を軽減する実質的な効果だけではなく、ビルを利用する人たちにも良い影響を与えることが研究者の調べによって明らかになっています。生活者は健康状態が良好になり、労働者は仕事の生産性・効率性が向上するそうです。空気がきれい、効果的な採光で明るい、水がおいしいなどがその根拠だそうですが、たしかに身の回りの環境が自分に与える影響を自分に振り返って考えてみると納得させられものがあります。

現在、東京、上海、北京などのアジアの主要都市を筆頭に、中東はドバイ、ヨーロッパはロンドンなど世界中でビル建設ラッシュが進んでいます。利便性や経済的な需要だけを求めるのではなく、本当にビルの建設が必要なのかまでを含めて、“環境の構築”について少し考えてみる必要があるのではないかと思いました。

岡山修平