
エコピープル 第39号
川崎アゼリア 2006 -2008
新陳代謝する都市システムへのひとつの挑戦
今回の取材を終えて、まっさきに感じたことは自分の生活が多くの人々、そしてさまざまな技術に支えられているということでした。日常生活の場面で、自分が実行している“エコなライフスタイル”というのはまさに狭義のものであり、広義な“エコスタイル”にはいかに無関心であったかを痛感させられました。
駐車場に隣接する事務室から空調システムを一括管理している機械室は駐車場を横切って向かい側の重い鉄のドアの内側にありました。JR川崎駅と京急川崎を結ぶ地下道を明るいショッピングモールに変えた川崎アゼリア、その空調管理を20年にわたり供給してきたパイプは、しっかりメンテナンスされていました。
銀色に輝く太いパイプは天井を縦断し、建物の各所に通じているのでしょう。単純計算で365日×20年、7,300日あまり、一日も休むことなく稼働してきたことを静かに物語るかのように、パイプも設備も、頼りがいのある存在感で整然と居並んでいました。
20年前における私たちの環境意識は、現在に比べれば明らかに低いものであったはずです。未来の発展を見越して、当時最高の整備と仕様で建設された中央管理型の空調システムは、次の10年、そしてまたその先の10年という未来に向けて、機能と精度を進化させ、新陳代謝してゆくのでしょう。
未来の地球環境に思いを馳せる時、私たちが持つべき資質として、自身の視野を常に拡大し、更新する度量と覚悟が上げられるのではないでしょうか?さまざまな技術や多くの人々の献身によって支えられている自分の暮らし、その事実への感謝と共に、周囲の環境との“絆”、次の世代との“絆”を意識しながら自分の生活を常に見直すセンスと言い換えることもできるかもしれません。
きめ細やかで丁寧な暮らしは昔の人たちだけの十八番ではありません。現在を生きる私たちも、21世紀の流儀としてきっと得意なはずです。地球環境についてのデータを数値として認識し、自分の生活のシーンで、リアルタイムで修正していく見識、これは現代人だからこそ出来る“丁寧な暮らしのスタイル”です。
今回の川崎アゼリアの水和物スラリ蓄熱空調システムを核にしたトータルソリューションシステムは、まさに現代の丁寧な暮らしの作法で叶ったシステムです。きめこまかく調整し、それを緻密に制御する、この生きる姿勢は、古来より大切にされてきた日本人の生き方そのものです。
環境へのさまざまな警告が発せられる現在、私たちは今という時代のスピード感で、こうした時代の生き抜いてゆく覚悟と共に、自分たちが先祖から引き継いできた“丁寧な生き方”をもう一度思い出す時期に差し掛かっているようです。
編集部
→eco PEOPLE 第39号 川崎アゼリア 2006-2008