編集後記:エコピープル 第38号

エコピープル 第38号
半谷栄寿さんインタビュー
「オフィス」と「森」の“町内会” ~持続可能な社会貢献システム~
「森の町内会」が取り組んでいらっしゃる活動の礎を築いたのは、「オフィス町内会」の活動であり、経験であり、その思いでした。半谷さんが、自身のボランティア活動を進める上で重要であると繰り返し述べていらっしゃった“持続に必要な経済性を担保すること”、そして“仕組みやノウハウが出来上がったら、それを「本業」へバトンタッチすること”、それらのポリシーは、社会に持続可能なシステムとして組み込むには必要不可欠な視点であると編集部は深い関心を寄せました。「間伐に寄与した紙」の購入が通常の紙の購入よりも少し高い買い物になることは事実ですが、多くの企業がそのコスト高の紙を購入している背景には、値段が高い/安いという経済性だけでなく、近年企業活動に求められている地球環境への配慮や貢献活動という倫理観だけでもなく、「フェアトレード」に似た消費者としての責任に基づいた新しい価値観が生まれているのではないかと思いました。
“地球に思いを寄せて生きる”という事、確かに頭ではイメージできても、“あなたはそれを具体的な行動として実践しているか?”と問われたら、多くの人が後ろめたい気持ちになるのではないでしょうか?半谷さんは、「オフィス町内会」のシステムを普及させるために、免罪符という観念を用いて、関係者の良心に訴えかけました。そして今回の「森の町内会」では、未来の地球への責任ある行動のひとつの具体的な選択肢として、関係者の自由意志に委ねようとしています。いずれにしても、新たな価値観が既存の仕組みの中に組み込まれるまでには、ひたすら膨大な作業が待ち構えています。日本国内の間伐材を用いた紙を使用することの意味を多角的、かつ公平に検証し、それを広く多くの人々に認知させることが大前提になります。地道な活動実績、透明性のあるルール、無駄のない運営、そしてこの新たな価値観で結ばれたネットワークの拡大。事務局としてやるべきことは文字通り、山積状態でしょう。ただ今回、岩泉町の中学生と共有し、確認できた“自分のコミュニティーへの誇り”は、かけがえのない副産物であり、この活動の展開に新たな光を投げかけるように感じました。「町内会」という言葉のもつ、温かで、責任の所在を感じるスケール感こそ、21世紀という地球が求める新たな単位として機能していくのではないでしょうか?
編集部
- 2008.08.29
