ハチドリが繋ぐ 未来へのメッセージ

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この度の東北地方太平洋沖地震、心よりお見舞い申し上げます。

今回伺った由利本荘市立西目小学校は、日本海に面した松林が印象的な美しい町にあります。取材当日、私たちは東京を朝8時過ぎに出発し、秋田新幹線の4時間の列車移動、終点の秋田からは日本海を右手に眺めて1時間余りのドライブ、目の前に雪をいただく鳥海山の優雅な姿が見える午後一時半過ぎに目的地である西目小学校に到着しました。日帰り取材という強行軍でしたが、新幹線の車窓越しの東北の風景はまさに日本の原風景、心を不思議に鎮めてくれる静かな景色が今もはっきりと脳裏に焼き付いています。

その東北地方が、3月11日に起こった大地震と巨大津波で未曾有の被害を受けました。連日報道される被災地の映像を見ながら、自然が猛威をふるった時、いかに人間が無力であるかを痛感しています。ただ同時に、この10日余りで日本人の多くが誰かのために"ささやかでも出来る事"がいかにたくさんあるかを学んだことも事実です。

"ハチドリの一滴"

今この言葉は、"人間同士の絆"を生み出す力をも持って機能し始めています。昨年末、雪の富良野で倉本聰さんが話してくださったこと、そして工藤校長の指導の下、"ハチドリの一滴"の力を信じ、この二年間、地球のために活動していた西目小学校の子どもたち。日本全体を、そして世界をも繋ぎつつあるこの"ハチドリ一滴"の絆が結集され、さまざまなパワーを生み出していくことを切に祈ってやみません。

エコビーイング編集長
太田菜穂子


→eco PEOPLE 第48号 「ハチドリが繋ぐ 未来へのメッージ」由利本荘市西目小学校(秋田県)



→eco PEOPLE 第47号 倉本聰さん「ハチドリの一滴」


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立松和平さん 心よりご冥福をお祈り申し上げます

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立松和平さんにお目にかかったのは昨年の10月29日、冬の始まりを感じる夕暮れでした。部屋に入っていらっしゃるなり、「先月の登山で膝の骨を痛めてしまって」とおっしゃり、ゆっくりとした動きで、本棚を背に座布団に座られました。まず私たちにお茶をすすめ、それからご自身も卓袱台に置かれたお茶碗に手を伸ばされました。 その仕草があたりの空気と見事に調和した優雅な動きで、あたかも禅寺の高僧のような印象だったことを今も鮮明に記憶しています。

道元は「偏界かつて蔵(かく)さず」という言葉と中国で出会っています。この世界では「真理は隠されているわけではなく、人間の力では分からないことが多いだけなのだ」ということです。それを知ろうということこそが人間の英知です。(本文記事より)

「偏界かつて蔵さず」、あの独特の口調で、説明して下さった時の立松さん。その人生は真理を追求する行動で貫かれた、清々しい軌跡だったと言えるのではないでしょうか。

立松和平さん 享年62歳、心からのご冥福をお祈り申し上げます。

編集部

→eco PEOPLE 第43号 立松和平さんインタビュー

編集後記:エコピープル 第40号

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エコピープル 第40号
原田幸明さんインタビュー
新時代の資源マネージメント
~都市鉱山から見る未来への鍵~


20世紀は鉄鋼業などの工業が世界中で大きく発達をし、さまざまな産業が機械化され、同時に物流・移動手段も大きく変化をした世紀でした。わたしたちが住む日本もその例外にはなく、明治維新後の殖産興業政策によって重工業が興り、第一次世界大戦と共に国内の重工業は世界と肩を並べる力を持つようになりました。そして、第二次大戦後、歴史上類を見ないほどのスピードと勢いで経済復興を遂げ、「特需景気」や「高度経済成長」、「バブル」など言葉を変えながら、世界を牽引する発展を遂げました。
これら産業の発展を支えた源は他でもなく“資源”です。ひたすらに資源を探し、掘り、開発し、消費し、より「豊かに」、より「便利に」、より「快適に」生活を送ることを“幸せの定義”として私たちは歩み続けてきました。
しかし近年、地球温暖化をはじめとする環境問題が大きくクローズアップされるようになり、単に地球環境の保全だけでなく、私たち人間生活の礎でもある“資源”の有限性が真剣に論議されるようになりました。ここに至り、私たちは継続可能な未来に向かって、どのようにビジョンを持ち、立ち向かっていくべきなのでしょうか?

「都市鉱山」の問題だけでなく、環境問題はあらゆる場面において、実に多様な観点で語られ、私たちの生活や行動規範に大きな影響を与えるものとして、しっかり意識されるようになってきました。ただ、事柄が細かく語られれば語られるほど、生活者の立場からすると、自分たちの努力の成果が目に見えにくくなり、貢献している社会との関連性が実感しづらくなってしまい、結果として環境問題そのものへの閉塞感や不安感、不信感が芽生えてしまっているというのも事実です。

そんな編集部の思いに原田幸明さんは明確に答えてくださりました。
自分の目の前にある身近な問題にとどまることなく、深い見識と広い視野を持って発展的に考える重要性。また、着実に未来を変えていくためのビジョンと新たな価値観の創造。これから私たちが未来に向かって環境問題を考える上での一つの視座を与えて下さるインタビューでした。

編集部

→eco PEOPLE 第40号 原田幸明さんインタビュー

編集後記:エコピープル 第39号

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エコピープル 第39号
川崎アゼリア 2006 -2008
新陳代謝する都市システムへのひとつの挑戦


今回の取材を終えて、まっさきに感じたことは自分の生活が多くの人々、そしてさまざまな技術に支えられているということでした。日常生活の場面で、自分が実行している“エコなライフスタイル”というのはまさに狭義のものであり、広義な“エコスタイル”にはいかに無関心であったかを痛感させられました。

駐車場に隣接する事務室から空調システムを一括管理している機械室は駐車場を横切って向かい側の重い鉄のドアの内側にありました。JR川崎駅と京急川崎を結ぶ地下道を明るいショッピングモールに変えた川崎アゼリア、その空調管理を20年にわたり供給してきたパイプは、しっかりメンテナンスされていました。
銀色に輝く太いパイプは天井を縦断し、建物の各所に通じているのでしょう。単純計算で365日×20年、7,300日あまり、一日も休むことなく稼働してきたことを静かに物語るかのように、パイプも設備も、頼りがいのある存在感で整然と居並んでいました。
20年前における私たちの環境意識は、現在に比べれば明らかに低いものであったはずです。未来の発展を見越して、当時最高の整備と仕様で建設された中央管理型の空調システムは、次の10年、そしてまたその先の10年という未来に向けて、機能と精度を進化させ、新陳代謝してゆくのでしょう。

未来の地球環境に思いを馳せる時、私たちが持つべき資質として、自身の視野を常に拡大し、更新する度量と覚悟が上げられるのではないでしょうか?さまざまな技術や多くの人々の献身によって支えられている自分の暮らし、その事実への感謝と共に、周囲の環境との“絆”、次の世代との“絆”を意識しながら自分の生活を常に見直すセンスと言い換えることもできるかもしれません。

きめ細やかで丁寧な暮らしは昔の人たちだけの十八番ではありません。現在を生きる私たちも、21世紀の流儀としてきっと得意なはずです。地球環境についてのデータを数値として認識し、自分の生活のシーンで、リアルタイムで修正していく見識、これは現代人だからこそ出来る“丁寧な暮らしのスタイル”です。
今回の川崎アゼリアの水和物スラリ蓄熱空調システムを核にしたトータルソリューションシステムは、まさに現代の丁寧な暮らしの作法で叶ったシステムです。きめこまかく調整し、それを緻密に制御する、この生きる姿勢は、古来より大切にされてきた日本人の生き方そのものです。

環境へのさまざまな警告が発せられる現在、私たちは今という時代のスピード感で、こうした時代の生き抜いてゆく覚悟と共に、自分たちが先祖から引き継いできた“丁寧な生き方”をもう一度思い出す時期に差し掛かっているようです。

編集部

→eco PEOPLE 第39号 川崎アゼリア 2006-2008

編集後記:エコピープル 第38号

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エコピープル 第38号
半谷栄寿さんインタビュー
「オフィス」と「森」の“町内会” ~持続可能な社会貢献システム~


「森の町内会」が取り組んでいらっしゃる活動の礎を築いたのは、「オフィス町内会」の活動であり、経験であり、その思いでした。半谷さんが、自身のボランティア活動を進める上で重要であると繰り返し述べていらっしゃった“持続に必要な経済性を担保すること”、そして“仕組みやノウハウが出来上がったら、それを「本業」へバトンタッチすること”、それらのポリシーは、社会に持続可能なシステムとして組み込むには必要不可欠な視点であると編集部は深い関心を寄せました。「間伐に寄与した紙」の購入が通常の紙の購入よりも少し高い買い物になることは事実ですが、多くの企業がそのコスト高の紙を購入している背景には、値段が高い/安いという経済性だけでなく、近年企業活動に求められている地球環境への配慮や貢献活動という倫理観だけでもなく、「フェアトレード」に似た消費者としての責任に基づいた新しい価値観が生まれているのではないかと思いました。

“地球に思いを寄せて生きる”という事、確かに頭ではイメージできても、“あなたはそれを具体的な行動として実践しているか?”と問われたら、多くの人が後ろめたい気持ちになるのではないでしょうか?半谷さんは、「オフィス町内会」のシステムを普及させるために、免罪符という観念を用いて、関係者の良心に訴えかけました。そして今回の「森の町内会」では、未来の地球への責任ある行動のひとつの具体的な選択肢として、関係者の自由意志に委ねようとしています。いずれにしても、新たな価値観が既存の仕組みの中に組み込まれるまでには、ひたすら膨大な作業が待ち構えています。日本国内の間伐材を用いた紙を使用することの意味を多角的、かつ公平に検証し、それを広く多くの人々に認知させることが大前提になります。地道な活動実績、透明性のあるルール、無駄のない運営、そしてこの新たな価値観で結ばれたネットワークの拡大。事務局としてやるべきことは文字通り、山積状態でしょう。ただ今回、岩泉町の中学生と共有し、確認できた“自分のコミュニティーへの誇り”は、かけがえのない副産物であり、この活動の展開に新たな光を投げかけるように感じました。「町内会」という言葉のもつ、温かで、責任の所在を感じるスケール感こそ、21世紀という地球が求める新たな単位として機能していくのではないでしょうか?

編集部

→eco PEOPLE 第38号 半谷栄寿さんインタビュー

eco FAMILY : 08 ヒヨドリ

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北海道・東川から竹田津実さんがお届けしてくださるショートエッセイ
エコファミリー 第8回「ヒヨドリ」がアップされました。

→eco FAMILY 第8回:「ヒヨドリ」

エコピープル 第37号 「エゴエコ」ライフスタイルのススメ

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エコピープル 第37回
「エゴエコ」ライフスタイルのススメ がアップされました。


過去を知り、未来に向ける。私たち人間はさまざまな環境問題に対し、過去について正しく学び、現状を慎重に把握し、より良い未来を予見して行動を起こすことが求められています。“時間の幅を持って思考する”ことは、私たちが人間たり得る「叡智」の一つと言えるのではないでしょうか?
今回のエコピープルは、江戸の庶民生活について数多くの執筆をされている作家の石川英輔さん。世界一の人口都市であった江戸は、非常に優れた循環型社会として知られ、注目されています。そんな江戸の生活を知り尽くした石川英輔さん流ライフスタイルとは? 編集部は都内にある先生のご自宅へ向かい、熱のこもったお話を伺ってきました。

→eco PEOPLE 第37回:「エゴエコ」ライフスタイルのススメ  作家・石川英輔さん

エコピープル 第37号予告!!

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6月に入り、東京はすっかり梅雨入り。
毎日すっきりしない天気が続いています。
たったいまも遠くの空でゴロゴロと雷が鳴りだしました。
夏の夕方の匂いです。


さて先日のこと、編集部は作家の石川英輔さんのご自宅を訪ね、「エコピープル」の取材をしてきました。
石川英輔さんは二度目のご登場となります。前回は「植物国家」であったとされる江戸時代の日本についてお話をしてくださいましたが、今回はより深く先生個人の環境に対する考え方についてお話を伺い、「目からウロコ」だったお話もたくさん聞くことができました。

6月末から7月頭には皆さんへその様子をお届けできると思いますのでお楽しみに!



→ エコピープル インデックスページへ

エコギャラリー:咲きに行く ~harmony scale~

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©2003 KISHIMA Hiroki




毎日安定しない天気が続きますが、日中の暖かさは5月に入ったことを実感させます。

さて、2008年5月のエコビーイングのトップを飾る作品は、先月よりはじまった杵嶋宏樹さんによる「少し止まる」です。
エコギャラリーのコーナーでは毎月の作品をアルバム形式でファイリングしていますので、そちらもご覧ください!
毎月の更新をお楽しみに。

→エコ・ギャラリーへ

「世界をよくする簡単な100の方法」

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「世界をよくする簡単な100の方法」
斎藤槙・著 / 講談社 定価:1,500円





新聞や雑誌やネットを見ていると、「エコな生活」とか「エコな社会を目指して」とか、また普段の会話の中でも「エコだね!」とか「エコじゃないなぁ・・・」とか口にしたりして、いまや「エコ」という言葉は、誰もが一日一度は見たり聞いたり口にしたりするのではないでしょうか?

”ゴミを分別する”とか、”省エネする”とか、”木を植える”とか、「エコ」といわれている行動にはさまざまなものがあります。
しかし本来、そういった行動それ自体が「エコ」なのではなくて、最終目的でもありません。

私たちは「エコロジー」という言葉を次のように認識しています。

”全ての生物が生態系の一員として自然と調和・共存し、共に繁栄をめざすという思想”

私たち人間も地球に生きる”一員”なんだと謙虚な気持ちになって、地球環境のことを思いやって、生活のスタイルや生き方を選択する。そんな精神こそが「エコ」なんだと思います。

そして、それを行動に起こすときの一つの手段や方法が”ゴミを分別すること”でもあり、”省エネすること”でもあるわけです。

それはわかっててもどんな手段や方法があるのか分からない、
そんなときに今回ご紹介する本は皆さんに多くの知恵を与えてくれるはず。
誰にでも出来ることから、一個人では到底出来ないことまで100の行動の提案がされています。その中から自分に出来ることから選択をして実践するのはもちろん、「この行動をとることがなぜエコなのだろうか?」、そんなことを考えながら読んでみると新たに自分なりの別の方法が見つかったり広がりがあるかもしれません。